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■ここでは、蝶の翅の各部名称をご紹介いたします。ここに紹介している例は「仮想(かそう)」の翅ですので実在はしていません。種類ごとに翅の構造は変わりますので、なれるまで少し難しいかもしれません。
蝶の翅の各部名称は、蝶の特徴を表すときや、分類するときに非常に便利なものとなります。特に翅脈(しみゃく)は蝶を分類する上でも重要ですし、その有様(脈相(みゃくそう))は種類によっても特徴があるため、鱗粉が剥げてしまって翅の模様が分からなくなっても、ある程度種類を特定することが出来ます。特に翅の模様が残らない化石などについては、これが分類の手がかりとなります。
まずは翅脈の様子を見てみましょう。脈の呼び方は以下の通りとなります。同じ翅脈のようで、径脈(けいみゃく)や中脈(ちゅうみゃく)と呼び名が変わるのは、それぞれの翅脈が一つの翅脈から分岐しているからです。
例えば下の図で言うと、径脈(R)は5つの脈に分かれ、第一、第二、第三、第四、第五径脈という風に1つの脈が5つに枝分かれていきます。
因みにこの脈の呼び方はティリヤード式と呼ばれ、この他にもハンプソン式という方法もあります。→ティリヤード式とハンプソン式の比較
●前翅(ぜんし)
記号 名 称 英 名 説 明 ー 中室(ちゅうしつ) Cell 中央にある、翅脈に囲まれた部屋のこと。種類によっては翅脈が中室を閉じない。 C 前縁脈(ぜんえんみゃく) Coastal Vein 一番前の翅脈で基本的には見えない。 Sc 亜前縁脈(あぜんえんみゃく) Sub Coastal Vein 前縁脈と径脈の間に伸びている翅脈。 R 径脈(けいみゃく) Radial Veins 基本的には中室上部から出ている翅脈。 M 中脈(ちゅうみゃく) Median Veins 中室から出ているような翅脈。 Cu 肘脈(ひじみゃく) Anterior Cubitus Veins 中室下部より分岐している翅脈。 A 臀脈(でんみゃく) Anal Veins 前翅基部より伸びている。 CuP 中脈分岐(ちゅうみゃくぶんき) Posterior Cubitus Veins アゲハチョウ科の蝶に見られる翅脈。 ここで注意しなければならないのは、全ての蝶がこの様な脈相を持っているとは限らないことです。例えば中脈分岐(CuP)はアゲハチョウの仲間に見られる特徴で、他の蝶の仲間では見られません。また、肘脈だって種類によって2本だったり3本だったりします。これらの特徴があるからこそ、化石の蝶や、鱗粉の剥げたぼろぼろの蝶をみて、どの仲間と特定できるわけです。
●後翅(こうし)
後翅の脈の構造も基本的には前翅と同じです。ただし、後翅のほうが種類によって色々と形のバリエーションに富み、尾状突起も複数出てきたりします。
ここ以外の脈の呼び方で、ハンプソン式というものがあります。これは、脈を後ろから数字で表したもので、ティリヤード方式と違って、どこの脈から分岐したのか分かりにくい欠点があります。
ティリヤード式 ハンプソン式 前
翅前縁脈(C) − 亜前縁脈(Sc) 12 第一径脈(R1) 11 第二径脈(R2) 10 第三径脈(R3) 9 第四径脈(R4) 8 第五径脈(R5) 7 第一中脈(M1) 6 第二中脈(M2) 5 第三中脈(M3) 4 第一肘脈(Cu1a) 3 第二肘脈(Cu1b) 2 第三肘脈(Cu2) 1c 第一臀脈(1A、2A) 1b 第二臀脈(3A) 1a 後
翅亜前縁・径脈(Sc+R) 8 径分脈(Rs) 7 第一中脈(M1) 6 第二中脈(M2) 5 第三中脈(M3) 4 第一肘脈(Cu1a) 3 第二肘脈(Cu1b) 2 第三肘脈(Cu2) 1c 第一臀脈(1A、2A) 1b 第二臀脈(3A) 1a
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