ナビゲーションバー ぷてろんワールド蝶の生態>擬態について:眼状紋
擬態について:眼状紋

羽に眼状紋(目玉模様)をつけた蝶が多くいます。蝶が羽に眼状紋をつける理由は、現在二つ考えられています。

● 天敵を脅かすのに使用する。

この説については、特に鳥がその天敵としてあげられます。鳥類は、色々な学者が研究して、眼状紋に対して極度の恐怖感を持つことが実験で証明されています。特に怖がられる模様は、いわゆるフクロウやヘビなどのように、丸くて大きな目玉模様が多いようです。

一度テレビで紹介された実験に、こんなものがありました。まず、ビルの屋上に大きな鳥かごを設置します。そして、大きな風船に丸くて大きな目玉模様を2つ貼り付けたものを用意します(海ボウズのような姿になります)。ビルの影からこの風船をゆっくりと目玉模様を鳥達に見せないように後ろ向きに、鳥かごの前まで上げます。この時、鳥達は平然としています。ところが風船がゆっくりと回って、目玉模様が見えてきたとたん、鳥達はかごの中でパニック状態に陥ったのです。この様に鳥達にとっては眼状紋に対して恐怖感を持っているのです。

蝶の中に、この眼状紋を持つ種類がいくつかいます。眼状紋の代表は、なんと言っても東南アジアに生息するメダマチョウの仲間と、南米に生息するフクロウチョウの仲間でしょう。両者とも羽の裏面に大きな目玉模様をもっており、ジャングルの中でこの蝶を発見したときは、人間でさえ誰かに見つめられているような、変な気分になります。

餌を探している鳥が、この様な蝶を発見したときは、びっくりして逃げてしまうと言われています。


アルテミスメダマチョウとキオビフクロウチョウ

● 致命傷である頭がねらわれないように、傷を負っても生存率の高い羽に眼状紋をつけてその部分を天敵に頭と思わせる。

この説は、シジミチョウの仲間のパターンとジャノメチョウの仲間のパターンとがあります。この眼状紋の利用方法は、天敵が獲物を攻撃するとき、一番捕らえやすい頭の部分をねらう性格を利用したものです。パターンとしては二つ考えられています。

1)多くのシジミチョウの仲間は、後翅の裏面に黄色から赤色の目玉も様なものがあり、そこから尾状突起が出ています。一部のシジミチョウは草や木に静止している時、後翅をすり合わせるような行動して、尾状突起を触角のように見せます。この様な行動が、天敵に、動いている尾の方を頭と間違えさせて攻撃させます。後翅の眼状紋は、蝶の体からも離れていて、柔らかいので、ねらわれた蝶は後翅に少しの傷を負うだけで逃げることが出来ます。

 メリッサミヤマシジミの後翅をすり合わせる様子(MPEG) → rubbing.mpg

2)ジャノメチョウの仲間は、後翅に沢山の眼状紋がならんでいて、鳥が混乱して眼状紋のある後翅をつつくことが多いようです。実際、野外で採集されるジャノメチョウの仲間には、後翅が鳥についばまれた跡などが付いているときがあります。

いずれのケースにせよ、この様な目的に使用される眼状紋は、その大きさも小さく、鳥などには恐怖心を与えない程度のものとなっています。



[蝶の生態のページへ]