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■蝶を撮影してみましょう。採集するときには気が付かなかった行動や、羽の模様などを発見できる良い機会です。ここでは、蝶の撮影の仕方を紹介します。
●機材をそろえる
まずは、撮影する機材、カメラの準備からしましょう。まず蝶のような小さい生物を撮影するには、一般的に売られている二眼レフカメラや「写るんです」タイプのカメラは撮影に適しません。蝶を撮影するには、蝶をアップで撮れるマクロレンズが必要になってきます。
まず用意する物としては、
一眼レフカメラ(ふつうのレンズ)
最近は、オートフォーカスの物が主になってきました。少し前までは、ピント合わせが遅く、使いづらいところもありましたが、最近は結構早くて良い物が出ています。
100mm マクロレンズ
マクロ機能は、一般の一眼レフ用のレンズに付いてきますが、出来れば50〜100mm級のマクロ専用レンズを使用されることをおすすめします。蝶の顔のアップなどを撮影するのであれば、100mmマクロレンズは必需品でしょう。
これらのカメラやレンズは高価なので、なかなかすぐには買えませんが、撮影するには必需品ですから、がんばってお金を貯めて下さい。
・三脚・一脚
薄暗い林の中などで、葉などに静止している蝶を移すときは、光が不足してシャッタースピードが遅くなり、写真がブレてしまいます。この様なときは、三脚や一脚を使用すると、ピントのあった写真が撮りやすくなります。もちろん、セッティングしているときに逃げられてしまうことも多くなりますが・・・。
・フィルム
フィルムは、出版などに使用しない限りふつうのフィルムで大丈夫ですが、出版などに使用する場合はスライドフィルムを使用するようにしましょう。一般のネガフィルムは、粒子が粗く、画質が荒いので印刷物に使用するには不向きです。また、ISO 400とかISO 1000といった高感度フィルムについても、数字が大きくなればなるほど粒子が粗くなりますので、これも使用しない方が無難でしょう。せっかく生きた蝶の瞬間をとらえるのですから、スライドフィルムで撮影されることをおすすめします。
吸蜜中のトラフアゲハ(アメリカ、オレゴン州にて)
上の写真は、スライドフィルムで撮影して、その中の一部を引き延ばしたもの。フィルムの粒子が細かいため、蝶が小さく写ってもそれを引き延ばして使えます。これが、ふつうのフィルムだと、ピンぼけした写真みたいになってしまいます。
●蝶を探す
蝶の探し方は、蝶の採集のページを参照にして下さい。
吸蜜中の蝶は撮影しやすいので、練習になります。
サラツマキチョウ Anthocaris sara
アメリカ、カリフォルニア州にて
●蝶を撮影する
撮影する蝶を見つけたら、静かに、すばやく移動して蝶に近づきましょう。人間の臭いに対しても敏感な蝶もいますので、風下に回るか、息を出来るだけしないようにして近づきましょう。また、移動するときは、横の移動は出来るだけしないようにしたほうが、蝶に感づかれないようです。どうしても横に移動しなければならないときは、一度下がって、ゆっくり方向を変えてまた前進するのが一番良いようです。
・ピント合わせ
蝶にピントを合わせるときは、蝶の目に合わせると、ピントのあった写真に見えます。羽がきれいなので羽の方にピントを合わせがちですが、この様な写真はたとえ羽がきれいに写っていても、ピンぼけ写真に見えてしまいます。どうしても羽を強調して撮影したいときは、目と羽の先の両方にピントが合うようにカメラを調整して撮影するようにします。マクロ撮影の場合、大抵絞りが大きく開き、焦点が狭くなりますので、ピント合わせは慎重に。
目と羽にピントが合うようにカメラアングルを考える。
Acmon Blue, アメリカ、カリフォルニア州にて
せっかく撮影できても目にピントが合ってないと、なんとなくしまりの無い写真に・・・
・フラッシュの使用について
夕暮れ時に花を訪れている蝶や、森の薄暗いところを飛んでいる蝶を撮影する場合はどうしてもシャッタースピードが遅くなります。こんなときに撮った写真を現像してみると、せっかく撮影した蝶がぼやけてしまうことがあります。このような場合、やはりフラッシュは必要になるでしょう。ただし、フラッシュを使用すると肉眼で見たときと色の感じが変わってしまいます。
たとえば、下の写真は薄暗いところでアカエリトリバネアゲハのメスを撮影したものです。肉眼ではフラッシュ無しの写真にあるような色でしたが、フラッシュをたくことによって大分雰囲気が変わっています。
上はフラッシュ無しで撮影した写真。下はフラッシュあり。
好みでフラッシュをたくかたかないかを決めましょう。●標本を撮影する
マクロレンズさえあれば、蝶の標本を撮影するのは以外と簡単です。蝶の標本を撮影するときに気を付ける点は、以下の通りです。
▲空気が湿っているところの撮影はさける:せっかくの標本が湿気を帯びて、羽が変形してしまいます。
▲直射日光を使わない:色がとびますし、標本にも良くありません。
▲影をつけないようにする:曇りの日に窓辺で撮影したり、リングフラッシュや複数のフラッシュを使用して撮影します。
▲蝶が斜めにならないようにする:斜めになると、羽がゆがんで写ります。ちなみに、このホームページで使用しているほとんどの標本写真は、曇りの日に窓辺でデジタルカメラで撮影したものです。
●デジタルカメラを使用した撮影について
日進月歩のデジタルカメラの世界もとうとう400万画素を越し、通常のカメラと変わらないほどの品質の写真を撮れるようになりました。デジタルカメラは通常のカメラにない色々な便利な機能が付いており、今後更に発展すると思われます。下写真はデジタルカメラが出始めたころの35万画素デジタルカメラで撮影したものです。ホームページに使用するには十分ですが、印刷物に使用するのには少し難しいです。
35万画素デジタルカメラで撮影したセセリチョウ。
チリ、クリコにて。