サイト内検索 powered by Google
ナビゲーションバー
ぷてろんワールド蝶の撮影>紫外線写真の撮り方

紫外線写真の撮り方

■ここでは紫外線写真の撮影方法について紹介します。


紫外線色

 昆虫の多くは、紫外線を見ることが出来ます。私たち人間には紫外線は見えない色です。つまり私たちの知らない色や模様が蝶や花にあるのです。この紫外線色を見るためには特別な方法が必要です。その一つがデジカメを利用した紫外線写真撮影です。

 多くのデジカメの機種は紫外線にも反応することが知られています。ここで気をつけなければならないのは、全ての機種が紫外線に反応するとは限らない事です。紫外線写真を撮影される方は、これをインターネットなどで確認する必要があります。メーカーに問い合わせることも出来ると思いますが、そもそも紫外線を撮影することを前提に作られたカメラではないので、その情報を確認してくれるメーカーは少ないと思います。

 また、使用するレンズによっても差が出てくると思われます。多くのレンズは紫外線をカットするコーティングがレンズにされています。一部の方は紫外線写真を撮影するためにこのコーティングを取ってしまう人もいます。また、紫外線写真撮影用のレンズも販売されていますが、大変高価です。

 ここでご紹介する撮影方法は、私が利用している方法で、これよりもっと効率的で安い方法があると思います。皆さんの参考までに紹介しますが、必ずしも上手くいくとは限りませんので、試される方はそのリスクを承知の上で試してください。この方法で何ら問題が発生したとしても、私は責任を負えませんので、あしからず。

必要な機材

 紫外線写真撮影に揃えるのはまずカメラとレンズです。私の場合はNikonのD80とSIGMAのマクロレンズを使用しています。


▲D80とSIGMAのマクロレンズ

 この外に必要になるのは色々な光から紫外線だけを通すようにするフィルタです。通常「UVフィルタ」として販売されているものは、紫外線をカットする(つまりここでは逆効果)のフィルタですので、間違えないように気をつけてください。紫外線を通すフィルタは下の写真のように、真っ黒です。


▲B+W社のフィルタ403

 普通これだけで良さそうですが、実はこのフィルタには落とし穴があります。このフィルタは紫外線を通し、可視光線はカットするのですが、実はもう一つの見えない光線、赤外線を通します。このフィルタだけですと、紫外線と赤外線が通り、うまく紫外線だけの写真が撮れません。そこで、赤外線をカットするもう一つのフィルタが必要になります。


▲B+W社の赤外線カットフィルタ489

 これらフィルタは私はフィルターを販売している専門店から購入しました(インターネットで)。

 後で説明しますが、これ以外にPhotoshopなどのソフトウェアも必要になります。

撮影

さて、ここまできたら撮影準備をします。残念ながらSIGMAのレンズは紫外線をかなりカットしてしまうようですので、簡単に紫外線写真を撮らせてくれません。

長時間シャッターを開けておく必要があります。

1.カメラを三脚につけ、カメラにリモートコードを取り付ける。レンズには赤外線フィルタを付けておきます。UVフィルタをつけている場合はこれをはずすことを忘れずに。

2.標本などを太陽光のある場所に置き、カメラをセットする。紫外線フラッシュもあるようですが、これは試した事がありません。自分と太陽の間に標本を置くと、上手くいくようです。

3.まずは普通の状態で撮影。ここでしっかりピントを合わせておきます。


▲オオアメリカモンキの普通の写真

4.ISOを1000に設定し、シャッタースピードは30秒に設定。 紫外線フィルタを取り付けて撮影します。カメラのファインダからは何も見えませんので、3のステップでピントをしっかり合わせておきます。また、ファインダーから入る光で画像がぼやける事がありますので、ファインダーをタオルなどでカバーしておくことをお勧めします。


▲撮影された写真

5.この写真を見て、「あれ?」と思われるでしょう。私の予想ではこれはレンズ自体にUVカットコーティングがされているため、紫外線の量が少なくなり、その結果シャッタースピードが長くなり、どうしても入ってしまう他のわずかな光線に反応してしまったのだと思います。左下の翅がうっすらと青くなっているのが見えるでしょうか?この様に青い部分があれば、上手く撮れている可能性があります。

6.上の写真を今度はPhotoshopなどで開きます。そしてチャンネルという機能を利用して、青い光だけを表示させます。


▲Photoshopのチャンネルでブルーだけを表示させる。

7.このようにして抽出した画像がしたの画像です。


▲これが紫外線写真

8.ここからの加工はあなた次第です。紫外線写真に色をつけ、オリジナルの写真と合成させると次のような写真が出来上がります。

Photoshopを利用したステップは、レンズのUVカットコーティングが無ければこのように処理する必要はないのではないかと思いますが、まだ確認できていません。「もっと簡単な方法があります」という方、是非その方法を教えてください。



[戻る]
サイトマップ | 使い方 | お問合せ
Copyright 1996-2023 Kojiro Shiraiwa. All Rights Reserved.