ナビゲーションバー ぷてろんワールド標本を作るときに必要な道具標本の作り方>蝶の軟化

蝶の軟化

採集してきた蝶を、しばらく置いておくと、乾燥して羽が開かなかったり、動かせなくなったりしてしまいます。この様に一度乾燥してしまった蝶は、軟化(なんか)して、展翅できる状態にします。ちなみに、採集してきた蝶をすぐに展翅できない場合は、蝶を三角紙ごと冷凍庫に入れておけば、数カ月経っても生展翅同様に展翅できます。


軟化に必要な道具は以下の通りです。

1.タッパーのような、密閉容器

2.脱脂綿、またはティッシュペーパーなど

3.注射器

軟化の方法

タッパーなどの密閉容器の中に脱脂綿などを敷き、水でしめらせ、すのこを乗せて、その上に蝶を並べ、しばらく置いておきます。私は以下の方法で軟化しています。他の方法をご存じの方は是非教えてください。

1.タッパーにティッシュペーパーを敷き詰め(2〜3枚)、熱湯で湿らせる。このときあまりティッシュを湿らせない方が蝶に優しいです(ウェットティッシュより、少し乾いているぐらい)。

2.湿らせたティッシュの上に、すのこの代わりにパラフィン紙またはトレーシングペーパーを敷き、その上に蝶を並べます。ティッシュの上に直接蝶を置くと、蝶の羽がびっしょりと濡れたりするのであまり良くありません。中型・大型の蝶などは、注射器などで熱湯を胸部に注射してやると、軟化しやすくなります。ヤマトシジミなど小さい蝶は、注射をしない方が良いようです。

3.ふたを閉めて、なるべく暖かいところに置いておきます。

4.軟化の具合は、時々チェックしましょう。あまり置きっぱなしにしておくと、蝶が柔らかくなりすぎたりします。蝶の状態によっては、1〜2時間で軟化してしまうものや、1週間ぐらい軟化しないものまであります。

5.長い間、軟化していると、蝶にかびが生えたりしますので、ティッシュペーパーなどにアルコールを2〜3滴垂らしておきます。あまりアルコールを多く入れすぎると、アルコールが蝶の羽にしみたりするので程々に。セイロガンも同じ様な効果があると聞いていますので、試してみては?

6.軟化した蝶は、出来るだけ羽の部分についている水分を乾かしてから展翅します。水滴などが羽についている場合は、ティッシュなどで吸い取ります(ふき取ってはいけません!鱗粉が剥げてしまいます)。

こんなときは・・・

軟化する時間がない・・・

緊急時の(そんなことあるかな?)軟化方法として、次の方法を試してみたらうまくいきました。

1.蝶の胸部に水を注射する。ただし、羽の間に水が入らないようにする(入ってしまった場合は、ティッシュなどで吸い取る)。

2.タッパーの中の少し湿らせたティッシュの上に蝶を並べる。

3.電子レンジで暖める。

4.うまくいけばほとんどの蝶が30秒から1分できれいに軟化できます。

ただし、この方法はモルフォチョウなどの構造色をもった蝶には、あまり向かないようです。というのは、実験した何頭かのモルフォチョウの内、1頭のメネラウスモルフォが写真の通り、真っ黒になってしまいました・・・(T^T)。原因は羽が濡れていたために、加熱しすぎて鱗粉が変形してしまったためかもしれません。とりあえず原因がはっきりとしていませんが、気をつけた方がいいみたいです。

電子レンジで、羽が濡れていたところが黒くなってしまった、メネラウスモルフォの雄。


蝶がなかなか軟化しないとき・・・

大型のタテハチョウ(オオムラサキやフタオチョウなど胸部が大きいもの)などは軟化してもなかなか柔らかくならないものがあります。次の処理を試してみましょう。

(方法1)胸部に熱湯の注射を5分おきにしてみる。注射は胸部から水がしみ出る位にやります。少しずつ柔らかくなるのであれば希望があります。

(方法2)ちょっと乱暴なのですが、まち針で胸部の筋肉をつついて壊してしまうとうまくできることがあります。この場合、胸部に水で薄めた、木工用ボンドなどを胸部にしみこませておかないと展翅した後に翅が下がってきてしまいます。

(方法3)上記記載の、電子レンジ方法で試してみては・・・。



[標本の作り方へ戻る]