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蝶は完全変態(かんぜんへんたい)をする昆虫の仲間です。完全変態とは、一生を卵、幼虫、蛹、成虫と成長とともに体の仕組みや形を変えていく事です。このように体の仕組みや形を変えることを変態(へんたい)といいます。
●成長のスピード
卵から成虫になるスピードは、種類や環境によってまちまちです。成長スピードの速い例と遅い例を見てみましょう。
◆成長の早い例:夏のヤマトシジミ
ステージ 日数 卵 4日 幼虫 16日 蛹 8日 合計 28日
夏のヤマトシジミの成長が早い理由にはいくつかの要素があります。
・体が小さい。
・成長している時、気温が高い。
◆成長の遅い例:北海道の大雪山にいるウスバキチョウ
ステージ 日数 卵 約11ヶ月 幼虫 約3ヶ月 蛹 約10ヶ月 合計 約24ヶ月
大雪山のウスバキチョウの成長が遅い理由は
・体が大きい(アゲハチョウに比べると小さいですが)。
・夏が短く、厳しい環境の中越冬をしなければならない。
◆食草にあわせる例:ミドリシジミ
ミドリシジミはハンノキなどの新芽を幼虫が食べるため、幼虫でいられる期間が限定されています。

ステージ 日数 卵 約8ヶ月 幼虫 42〜50日 蛹 約20日 合計 約10ヶ月
ミドリシジミの場合、夏に羽化した成虫が8月ごろに休眠芽の基部などに産み付けられ、卵のまま次の年の春にそれが芽吹くまで待ちます。実際には(ウスバキチョウもそうなのですが)卵の中で幼虫になってから越冬し、翌春卵の殻を割って出てくるのです。
こうしてみると、蝶も生き残るための知恵(?)を絞って、自らを取り巻く環境に適応していることが分かります。
●世代を繰り返す
アゲハチョウは春から秋にかけて3〜4回世代を繰り返します。「世代を繰り返す」と言うのはどういう意味でしょうか?例えば、春から秋にかけて、次のようなことが起こります。
4月ごろ、越冬したアゲハチョウの蛹から成虫が出てきます。アゲハチョウは相手を見つけ、交尾し、メスは卵を産みます。卵から孵化した幼虫は気温も暖かくなると、成長のスピードが速くなり、蛹になり、初夏のころには成虫になります。この成虫もまた卵を産み、こんどは夏の終わりのころに成虫になり、また卵を産み、それが秋に成虫になります。この成虫が産んだ卵は蛹まで成長し、そこで止まり越冬をします。
さて、こうなると、アゲハチョウは春から秋にかけて4回成虫が出てきたことになり、これを「4回世代を繰り返した」または、「4回発生した」と言います。最初に出てきた成虫を第一化(だいいっか)と呼び、その後に出た成虫を第二化、第三化・・・というふうに呼びます。この「化(か)」を利用して、アゲハチョウは年4化性(ねんよんかせい)ともいいます。ただし実際には、北にいるアゲハチョウは気温も低く、夏も短いため発生回数が少なく、逆に暖かくて夏が長い南では発生回数が増えるので、年4化性と決め付けることは出来ません。
ミドリシジミは年1化性で、成虫はどこでも年1回しか見られません。一方ヤマトシジミは暖かい地域では6〜8回世代を繰り返している上に、前後の世代が混じっていることもあり、正確にわからないこともあります。
●生存率(せいぞんりつ)
蝶の各ステージで、蝶がどれくらい生き残ったかを調べた人がいます。ここで紹介している数字はナミアゲハがどのように生き残っていったかをまとめたものです。数字は伐採跡地(ばっさいあとち)にあるカラスザンショウ100本あたりにナミアゲハの第一世代がどれほど生き残っているかを、渡辺さんという人が6年間調べて平均したものです。
◆卵(たまご)
(95.3個)
【主な天敵】
寄生蜂(アゲハタマゴバチ)、ダニ類、クモ類、カメムシ類、アリ類、カンタン、ツユムシなど
◆初令幼虫、1令幼虫
(47.2頭)
【主な天敵】
クモ類、カメムシ類、アリ類など
◆2令幼虫
(17.0頭)
【主な天敵】
クモ類、カメムシ類、アリ類など
◆3令幼虫
(8.4頭)
【主な天敵】
クモ類、アシナガバチ、病気など
◆4令幼虫
(2.6頭)
【主な天敵】
アシナガバチ、病気、鳥など
◆終令幼虫、5令幼虫
(1.8頭)
【主な天敵】
アシナガバチ、鳥など
◆蛹(さなぎ)
(1.6頭)
【主な天敵】
寄生蜂(アゲハヒメバチ)など。羽化失敗もある。
◆成虫(せいちゅう)
(0.6頭)
◆成虫の寿命
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