■蝶の幼虫から成虫になるまでの飼育方法をご紹介します。ここでは飼育しやすい初心者級の種類について解説します。
●幼虫を手に入れる
幼虫を手に入れる方法はいろいろとあります。
・友人・知人などからもらう。
・野外で見つけたものを採集する。
・メスをつかまえて、卵を産ませ、孵化させる。
・売っている幼虫を飼う。
蝶の幼虫を飼うのにはある程度の覚悟と準備が必要です。飼育する上で大切なのは次の点です。
◆幼虫の餌となる新鮮な草や葉を飼育している間、確保できる状況にしておくこと
幼虫を飼うには、ある程度新鮮な餌が飼育中必要になります。途中でなくなったり、古くなったりすると幼虫が途中で死んだり、著しく小さくなるなど、良い結果が待っていません。飼う幼虫の種類を確認し、何を食べるか、その餌を調達できるかを確認してから飼育しましょう。
◆飼育に時間を費やすことができること
カブトムシの幼虫と違って、蝶の幼虫は一度飼育環境をセットをしたからといってほうっておけません。糞や餌がすぐにかびたり、腐ったりして幼虫が病気になったり、死んでしまったりします。こまめに飼育ケースを掃除する必要がありますので、ある程度手間を掛ける覚悟が必要です。
●準備するもの
飼育を始める前に、蝶の幼虫を育てるのに必要なものを確認してみましょう。
◆飼育ケース
幼虫を入れておく飼育ケースですが、掃除するために、簡単に開け閉めできるものが好ましいといえます。夏休みに売っている昆虫用プラスチック容器でも良いですし、タッパーでも使えます。掃除しやすい容器を選ぶことをお勧めします。
◆エサ
蝶の幼虫は何でもそこら辺の草を食べるわけではありません。決まった植物を食べるわけで、これを食草(しょくそう)、食樹(しょくじゅ)といいます。例えばアゲハチョウやクロアゲハなどの食草はミカン科の葉を食べますし、キアゲハはセリ科の植物を食べます。アゲハチョウの幼虫にツバキの葉を与えても、これを食べることはありません。
食草は比較的1年中手に入るものから、ある一定の時期にしか手に入らないものなどがあります。ミドリシジミ類のように、春出てくるコナラなどの新芽のみを食べる種類もいますので、蝶の生態についても事前に調べておく必要があります。
●キアゲハの場合
キアゲハの育て方を紹介しましょう。
ステップ1
▲アメリカキアゲハの幼虫と食草のフェンネル飼育ケースは使い捨てのタッパーを使用します。ふたはきっちりとは閉めてしまっても構いません。ティッシュペーパーを放り込んでおくと、容器の内面に水滴が出来ず、湿度がコントロールできます。水滴は幼虫が溺れたり、餌が腐りやすくなったりしますので気をつけましょう。
ステップ2
エサはオーガニック専門店などで買えるパセリを使用します。このほかセリ、三つ葉、ニンジンなどを代用できます。オーガニック(有機栽培、無農薬)のパセリが手に入る状態でなければ、庭でそれらを育てておくことをお勧めします。野外で採ってくる場合は、農薬などがついている可能性があるので、注意しましょう。沢山幼虫がついているような植物であれば、安心といえるかもしれません。
ステップ3
幼虫を探します。ニンジン畑などで幼虫を探すと、よく見つかります。また、庭にパセリを植えて、自然に蝶がやってきて卵を産むのを気長に待つということもできます。
ステップ4
容器にパセリを幼虫1匹あたり、3〜4本の入れます。入れる幼虫の数は、容器の大きさによって違いますが、あまり沢山入れると、容器の中が汚れるのが早くなりますので、できるだけ少なくします。後は直射日光の当たらない、できるだけ涼しい場所におきます。あまり暗い環境においておくと、蝶が冬と間違え越冬する蛹になる可能性も有るので、できるだけ明るさは確保しておきます。
ステップ5
毎日ふたを開けて、幼虫たちの様子を観察します。病気になっていそうな幼虫は隔離しなければなりません。ふたを開けることによって、パセリから出てきた余分な水分を容器から出します。糞がたまっているようでしたら、パセリと幼虫を取り出し、容器を洗います。ティッシュも取り替えます。糞はカビの原因になりますので、パセリなどについている場合はそれも払い落とすなどしてきれいにしておきます。しおれてきたパセリや葉のなくなったパセリなどは、新しいパセリに交換します。
ステップ6
幼虫が大きくなって、そろそろ蛹になる準備ができると、餌を食べなくなり、あちこち歩き回るようになります。この時に丈夫な枝などを数本入れておくと、1〜2日後その枝で前蛹になります。この時、容器を立てて枝が垂直になるようにして、暗い場所におくと、幼虫も落ち着くようです。それでも容器の側面で蛹になってしまう場合もありますが。
ステップ7
前蛹になれば、1〜2日で蛹になります。前蛹は決して触ったりしてはいけません。蛹になって体が固まったら、枝ごと容器から出して粘土にさしたり、羽化器に入れたりして羽化を待ちます。幼虫は時々容器の壁で蛹になることがあります。この場合、湿度が高くならないように蓋を開けて、そのままにしても良いですし、カッターなどで蛹を土台ごと(くっついている糸)はずして、他の場所に移してもいいです。